安堵霊タラコフスキー

第七の封印の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
4.7
ベルイマンがシェイクスピア的世界観で映画を作ったらこうなったという作品

人物も舞台もシェイクスピア演劇のように古典的でファンタジックでロードムービータッチで、宗教的で群像劇的でもありコメディの要素も若干あり、と様々な要素が詰め込まれていて面白いが、やはりこの映画を一番面白くしている要素は存在感ある妖しい死神の存在だろう

加えて冒頭の海辺の風景や夜の魔女狩りの場面、屋敷におけるクライマックス等ベルイマンのモノクロ映画らしい硬質で緊張感がある映像も芸術的で美しい

ベルイマンの映画は台詞の多いものが多く、この作品もシェイクスピア演劇らしい台詞が多く確認できるけれども、同時に構図や陰影のつけ方を工夫して見応えのある映像にする努力を怠っていないからベルイマンは良い

しかし未だにこういう宗教的な時代ものを描く映画を目にするとベルイマン的要素がよく見受けられるから、ベルイマンの影響力は偉大だとつくづく思う