モミヂラミミヂ

第七の封印のモミヂラミミヂのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
3.5
死神とチェスを。

ペストや十字軍遠征。
神の存在を説かれながらも、死がこれだけ濃厚な時代。
ヨーロッパで焼け野原を体験し、戦後を生き抜いてきた人には信仰と神の存在とは何かを重ね合わせ、問いかける内容だったのではないか。

人生は所詮、目隠しをして全力疾走して消えて行くものなのか。
真理には到達できないのか。
主人公含めてラストはあっさりとみんな死んで行く。

その中でなぜヨフにだけ死神ではなくマリア様が見えたのか。
彼に原罪はないのか、それとも純粋に死期が来ていないからなのか。

一度見ただけではなんとも掴みきれないけど、様々なモチーフやセリフを何度も脳内でリピートし問いかけるような作りに静かに体の中に毒が回って行くような感覚に陥る作品。