やっぱりベルイマンは最高だと改めてしみじみ感じた。
ベルイマンの熱狂的ファンであるウディ・アレンが、「最も影響を受けた作品」と語るこちらの作品。
ベルイマンの死生観が大いに表れている作品で、この映画でのその表現に圧倒される。
時代は中世。ペストが流行り、皆が終末を恐れていた。国際十字軍の兵士の男の目の前に死神が現れ、チェス対決を申し込む。死神に負けたら彼は死の世界に連れ去られるというのだった…。
哲学的だが、寓話的タッチのおかげで理解するのはそれほど難しくない。
死神が木をノコギリで徐々に切り落とそうとし、木の上にいる人を落とそうとしたのがシュールで笑えた。そこは手動なのかという。
死をどんなに恐れても、どんなに逃れようとしても、結局人は死んでしまう。だから大げさに憂う必要はない、とベルイマンは言っているようだった。
ラストシーンはこれ以降の作品にもかなり影響を与えたそう。
今まで観てきた映画のラストシーンの中でもかなり好きなものだった。
そこはベルイマンの死生観が端的に、そして最もよく表れている場面だと思う。
宗教的でシュールで、だけど重厚な素敵な映画だった。