Ricola

第七の封印のRicolaのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
4.5
やっぱりベルイマンは最高だと改めてしみじみ感じた。

ベルイマンの熱狂的ファンであるウディ・アレンが、「最も影響を受けた作品」と語るこちらの作品。

ベルイマンの死生観が大いに表れている作品で、この映画でのその表現に圧倒される。

時代は中世。ペストが流行り、皆が終末を恐れていた。国際十字軍の兵士の男の目の前に死神が現れ、チェス対決を申し込む。死神に負けたら彼は死の世界に連れ去られるというのだった…。

哲学的だが、寓話的タッチのおかげで理解するのはそれほど難しくない。

死神が木をノコギリで徐々に切り落とそうとし、木の上にいる人を落とそうとしたのがシュールで笑えた。そこは手動なのかという。

死をどんなに恐れても、どんなに逃れようとしても、結局人は死んでしまう。だから大げさに憂う必要はない、とベルイマンは言っているようだった。

ラストシーンはこれ以降の作品にもかなり影響を与えたそう。
今まで観てきた映画のラストシーンの中でもかなり好きなものだった。

そこはベルイマンの死生観が端的に、そして最もよく表れている場面だと思う。

宗教的でシュールで、だけど重厚な素敵な映画だった。
Ricola

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