ぐるぐるシュルツ

セオリー・オブ・アチーヴメントのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

3.9
ひとりぼっちではない、才能のない僕たち多数。

〜〜〜

吉祥寺アップリンクのハートリー特集にて。

これまた皮肉なタイトル。
『成功の理論』
決して成功することないだろう若者たちがお互いを身を寄せ会う。
怒涛の哲学的ハイコンテクスト科白の乱れ打ちの中で、
「何も伝わらないの何も言っていないのと同じ」
「食べる為に職が必要」
いやに現実的な言葉が反響する。

こうした儚い(そして日の目を見ることのない)頭でっかちたちに対する厳しい自意識と捨てきれない優しさがあいまじって、透き通った濃い青色のような映画になる。

でないと、滑稽だけど愛らしいロトを当てたい歌なんか思いつかないし、
ダメダメだけど美しい職なしキスなんか描けないよな。

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でも、
本当はその間が大切だと思う。

概念と思想をまくし立てて哲学的形而上学的になり過ぎずに。

かといって、そういう難しいことなんてわかりません飲み会楽しい仕事辛いになり過ぎずに。

両方と同じくらい向き合って闘って、
次の階層へ。