二年後くらいに。
栗林藍希は好い、なんて事は俺はカフカのなんちゃらの頃から言ってたけどね、なんつって得意気な顔をする為に観に出掛けた訳ですけれども。
大陸書房がコンビニや書店に卸していた廉価AVと同様に再編集版という事なのかしら、エピソードが幾つも詰め込まれてあるけれどもいずれもかなりの省略が施されてあって。
一方、何度か幕間に登場しては主人公の逸話なんかをインタビューに応える形で語る主人公の友人の紹介テロップはしかし、毎度毎度お決まりの演出で貼り付けられるという仕様。
受け手を繰り返し説明が必要な馬鹿扱いする態度が無礼極まりなければ自然、行間を埋めさせる態度も不躾に思えてくる訳で。
そうやって好感が持てなければ状況を説明し過ぎる劇伴が鬱陶しくなり、絶望した主人公の心情を云う手持ちカメラのぐらつきにも鼻白んでしまう。
絶望して自らを呪う、或いは自らを呪う体で世間様にもの申す山場に向かうお定まりの構成、ならば段階的に物事を積み上げるのは必須条件、じゃなかったら黄門様の印籠にも溜飲を下げる効果は期待出来ない訳で。
本作が劇場版を名乗るその文脈を無視して言ってしまえば。
とても辛い96分間でした、と。