シネフィルmonk

カサノバのシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

カサノバ(1976年製作の映画)
3.3
18世紀に欧州諸国を遍歴し、その「回想録」から生涯に1000人の女性とベッドを共にしたとされる実在の色事師、ジャコモ・カサノヴァの伝記もの。フェリーニらしくチネチッタの撮影所に大規模なセットを組み、冒頭の謝肉祭の豪華さにいきなり目を奪われ、退廃的なヴェネツィアの都や当時の衣装などが絢爛と再現される。

カサノヴァについては伝説的な英雄像でなく、ローマでの狂宴でたまご19個飲み干して御者とセックス対決したり、娼婦、老女から貴族まで数々の女性と浮き名を流したり、青年から栄華を得てやがて老いに至る一連のストーリーをあくまで性豪の俗人として描いているのが特徴。生生しいセックス描写が多いのでこの種が苦手な方にはオススメできません。日本で言う「好色一代男」。

いつもの大女、小男が登場したり奇抜さは相変わらずで、映像のマジシャンのフェリーニらしさを感じられる一作です。「24 -TWENTY FOUR-」のジャック・バウアー役を演じたキーファー・サザーランドの父ドナルド・サザーランドがカサノヴァ役を、ほかにティナ・オーモンらが出演してます。双葉十三郎氏の「愛をめぐる洋画ぼくの500本」紹介作。
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