のん

コンフィデンスマンJP プリンセス編ののんのレビュー・感想・評価

4.2
桑田とMattよりは似てるわ


古沢良太という脚本家は本当に器用な人で、現代社会の闇を描いた『外事警察』からその対極にある『コンフィデンマン JP』まで実に多彩なアプローチで楽しませてくれる。


2020年はコロナに始まり、景気の良いニュースを挙げるのが難しいぐらいであるが、『コンフィデンマンJP プリンセス編』は少なくとも120分間はその陰鬱さを吹き飛ばしてくれる快作だ。



確信的にリアリティを欠如させた豪華絢爛な「嘘」の物語こそが、このシリーズの肝であり、馬鹿馬鹿しいが、これくらいやらないと現実の閉塞感は吹き飛ばせないのかもしれない。


古沢作品の真髄であるテンポの良いドンデン返しに超豪華なキャストが挑んでいるが、やはり長澤まさみの顔芸に勝るものない。ストレスを感じさせないダー子というコメディの塊のようなキャラクターを嬉々として演じている。



三浦春馬の目を覆いたくなるような悲劇も、少なくともスクリーンの中では「嘘」に変わり笑いへと昇華される。この映画そのものが観る者を鮮やかに騙して「くれる」正真正銘のコンゲームムービーだと思う。
のん

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