bluemomday0105

コンフィデンスマンJP プリンセス編のbluemomday0105のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観客を振り回すストーリー、散りばめられた伏線を一気に回収する構成、カメオ含めた豪華キャスト(ジャッキー・チェン!)、シンガポール&マレーシアでのロケ敢行と前作同様に邦画トップクラスのエンタテインメントムービーで、このご時世でも初日舞台挨拶回がかなり埋まるのはさすが!

そして劇中何度と繰り返される「私たちはなりたいものになれる」「本物も偽物もない、信じればそれが真実」というセリフに非常に勇気づけられた。映画製作時はまさかこういう事情で公開が延期になると思ってなかっただろうし、当時はそう言っても素直に受け止められる世の中だったけれど今やどんなに嫌でも自分の居場所を守ることが精一杯。夢なんて見ちゃいけない。

おそらく数ヶ月後にこれまで耐えてきた企業の倒産・大量失業が現実となり、それでも誰も助けてくれない世界が訪れる。階級の上層だけでやり取りする情報に触れられるセレブだけで利を回されるようになり、下々は希望なんて持っちゃいけない、お前が苦しいのは自己責任、生きてるだけで満足せよと言われる世の中になる。勝ち組負け組が分かれ格差が決定的となる。
そんな閉塞感に殺されそうな時期だからこそ、長澤まさみ演じるダー子の「私たちはなりたいものになれる」に泣きそうになった。

邦画あるある、セットや衣装に明らかにお金かかってないな…と感じて興ざめすることあるんですが、こちらは終始リッチでドレスやスーツの仕立てよくて景気最高だった(聞いてるか貴族降臨)。今回のオサカナ、華僑を代表するシンガポールの大富豪に恥じないものばかりだ…。
フウ家の兄弟、高慢な姉にビビアン・スー、冷血長男に古川雄大、遊び人ゲイの次男に白濱亜嵐をキャスティングした人素晴らしい。皆さん一般人役だと豪奢な顔と釣り合い取れず違和感出るんですが(顔の良さがノイズになる稀有な顔面)逆にめためたゴージャスな役だったのが功を奏したのかも。ビビアン・スー演じるブリジットとダー子がお互いビッチと罵りバチバチしてるシーンは眼福だし、札束加えて半裸でイケメン騎馬戦状態の亜嵐君は初見で気を失いそうになった…幻覚かな。
亜嵐君も貴族(ホスト)やってますが古川さんも王子役演じた経験あるんですね!元当主の北大路欣也も忠誠心高い執事の柴田恭兵もかっこよだ…

今回の鍵を握る、フウ家の隠し子として名乗りを上げる新米詐欺師のコックリ役、関水渚。最初のおどおどした雰囲気から徐々にフウ家の次期当主らしき品格を身にまとっていく様子が「私たちは何にでもなれる」を具象化していた。偽物の彼女がフウ家に認められたのは彼女の咄嗟の振る舞いが大きかったけど、それまでに兄弟が大切にしていたものに気づいて労るなど周囲に細やかに気を配れる性格があったんだろうな…王の資質だ。

いい子は天国に行ける。でも悪女はどこへでも行ける。
この言葉を思い出した本作。

主役の3人の掛け合いも楽しいしジェシーはこちらでもかっこよかった。赤いスーツ着てかっこいいと思えるのはジェシーとルパンくらいだ…ウウッ
赤星とダー子の関係、もはやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのスターロードとヨンドゥに見えてふふってなったな。騙されるの楽しみにしてるでしょもはや。
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