もの語りたがり屋

コンフィデンスマンJP プリンセス編のもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

4.4
視線も心も釘づけで奪われた

ジャパニーズエンタメの真骨頂。シリーズ最高傑作。脚本・演出・プロデュースすべてがお見事としか言えないほどの出来栄え。

怒涛のスピード感のなかでこれでもかと豪華俳優陣が目白押しで登場する。贅沢なまでの無駄遣いも。ただテンポが良いというだけではなく、その緩急が絶妙。笑いあり驚きあり涙ありの大作だ。

初めて観る人でも十分楽しめると思うが、これまでのシリーズを観てきた人にとっては、過去の登場人物やエピソードが巧みに絡み合ってくるにくい展開が快感でたまらない。集大成とも言えるほどの仕上がりだが続編も期待したいところ。

最後のオチも素晴らしい。ここまで気持ちの良い伏線を張れる脚本家も古沢良太をおいてなかなかいないだろう。もはや三谷幸喜レベルで出演したい人が殺到しているはず。田中亮も映画監督としてこれからますます楽しみだ。

fox capture planと髭男の音楽もかっこいい。テンション上がるね。

テーマも引き続きぶれずに強いメッセージ性を持っている。「目に見えるものが真実とは限らない。嘘か真実かは自分が決める。強く信じ続けたものが真実となる」。軽やかに、でも確実に勇気を与えてくれる。

そして、三浦春馬のダンスシーン。すごく面白いパートなのに、とてもきれいで泣きそうになった。作品上ではメインではなかったようだが、三浦春馬が演じることでとても印象的なシーンになっていた。それを監督も絶賛していたようだ。これを予定通り上映して作品として残したのは素晴らしい判断だったと思う。日本映画界は本当に偉大な俳優を失った。

あと、観た人だれもが思っただろうが、関水渚は最初広瀬すずに見えた。また新しいヒロインが誕生したね。(まだ観れてないけど、1000人を越えるオーディションを勝ち抜いたという『町田くんの世界』もずっと気になっている)

『踊る大捜査線』に次ぐ、フジテレビ連ドラ発の大ヒットシリーズ映画の地位を確立したね。