るるびっち

コンフィデンスマンJP プリンセス編のるるびっちのレビュー・感想・評価

3.8
すでに寅さん化している。
寅さんが毎度マドンナと出会うように、毎回新米ちゃんと絡む物語という風に舵を切っているのかも知れない。
水戸黄門、寅さん、ヤッターマンとマンネリ好きな国民性を見越して、毎回新規ネタに知恵を絞るよりお馴染みパターンを増やして人気を取ろうというのだろう。
だから毎回、赤星は贋作を掴まされる(笑)。
怒って放り投げているが、実は彼のオフィスにはダー子印の贋作コレクションが大事に保管されていて、時々磨いて悦に入ってるかも知れない。
ヤッターマンのように、お馴染みギャグも増えるだろう。竹内結子の変装もエスカレートするに違いない。
浮浪者の老婆・巨漢のオヤジ・蛆の這う死体etc・・・段々過激化していくだろう。  
三浦春馬も毎回実力に見合わないクズ女子ばかり口説かされる、というルーティンギャグを脚本家は狙ってただろうに惜しいことをした。

今回は「嘘から出たまこと」という話。
「本物も偽物もない、信じればそれが真実」と台詞にもある。
このシリーズをそんなに沢山観ては居ないが、思うに東出の素人臭さが観客を騙す重要ポイントだったと思う。
ダー子に何も知らされていない東出が驚くことで、観客も騙される。
だから東出の素人臭い下手くそさが重要なのだ。
東出のヘタぽっさを逆手に取ってるのが上手い。
彼のヘタさを真に受けることで観客も騙される。そうなると本当は名優なのかな??
しかし今回は騙しのギミックにボクちゃんを使っていない。
なので、観客も前回ほどには騙されない。
やはり東出が心底オロオロと真に受ける感じがないと、観客は騙されないのだ。

結局トリックが上手いというより、人物の動機づけを、遡って実はあの時見抜いてたとか、あそこで変更したとか言い訳のように説明する。
それを言い訳でなく、トリックですと思わせるのが上手いのだろう。
矛盾やツッコミを、それでかわしている。
ラストの二年前の香港シーンなど、その最たるものだ。
やられたー‼ というより「嘘から出たまこと」を成立させるための動機づけだ。
実はコレがあったから、嘘から出たまことが成立したのですよと観客に納得させる言い訳に過ぎない。
言い訳をどんでん返しのように錯覚させる所が、この脚本家の才能と言える。
そして本作の真実とは、日本の子供の7人に1人が貧困化しているという厳しい現実である。
エンタメの裏にそんな現実を織り交ぜている所が、現役作家の凄みなのだろう。