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花束みたいな恋をしたのykのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

何気に初ひとり映画館。
調布が舞台と知ってから、調布の映画館に呼ばれているような気がして。笑

恋に落ちていく2人の会話は正直全然共感できなくて面白くなかったんだけど、
はたから見た時のつまんなさも「恋愛」なんだろうなと。
2人がよければそれでいいのよね。

変わらない信号機のシーンがお気に入り。
そっと触れるじれったさとか、これから盛り上がっていくぞって期待感とか、
恋愛のはじまりがぎゅっと詰まってて、背景で控えめに光る街灯がぼやけて綺麗だった。


出会いから現実離れした設定が続いていた分、後半の2人のすれ違いは絶妙にリアルで。

「現状維持」を願った彼の選択が、彼自身を変えてしまうなんて皮肉だ。
どんなに喧嘩しても最後は譲り合う2人は偉いなと思って観てたけど、
「譲る」って、「諦める」と紙一重で、諦めに変わるスイッチを踏む瞬間が、どれもパチンって音がしそうなくらい明白だった。

馬鹿みたいに共通点だらけ奇跡だらけの2人だったのに、思い出のファミレスでいつもの席に座れなくて、ついに最後のスイッチが鳴る。

すがったり、思い出したり、揺れ動いたり、あぁわかるわかるよ、ってやりとりが、話し始める前から見えていた結末に沈んでいく。

そのシーンの菅田将暉の涙が、役を超えてあまりにも「菅田将暉の涙」で、一瞬、目の前で菅田将暉本人が泣いているかのように錯覚した。
この演技を観ている間、そこにいる絹ちゃんは私だった。
陳腐だけど、すごいの一言。


吹っ切れた後の、実はあの時ね…っていう会話は、今知ったってしょうがないと思いながらも相手の新たな一面を見て楽しんでしまう不毛さが切ない。

特別な人は、形を変えてもずっと特別な人には変わりなくて、
時々思い出して笑ってまた胸にしまうことができるのが、素敵な恋だった証拠だと思った。
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