主人公たちの年齢が
ドンピシャだったこともあり
多分いちばん投影して観れたと思う。
観終わったあと、
周りのお客さんの声が聞こえて
「まだ上書きしないで!」と
足早に劇場を出た。
帰り道に350mlの缶ビール買って
「クロノスタシス」聴きながら
夜道を歩いて帰った。
昔、自分も同棲していた彼女がいた。
結婚の話題もちらほら出ていた。
ピンク色のティファール、夢の国で売ってたポップコーンバケツ、内田篤人、Perfume、近所の美味いハンバーガー屋…。
彼女との思い出に付随する幾つもの「花」。
何年経った今でも目にする度に脳裏に一瞬だけ立ち上がっては、消えていく。
恋愛が始まって終わると誰しもが
そんな「思い出の花束」を貰うようだ。
互いを100%理解しあってると思えていた瞬間は、確かにそこにあった。
2人が溶けあって、もともと1人だったと錯覚してしまうような。
結婚に至るかどうかは勢いとタイミング。
往々にして僕はそれを逃すのが上手い方だと思うけど、今手に持ってるいくつかの花束の美しさを結構自慢に思ってたりする。
花鳥風月。
人は歳をとるごとに順を追って
趣を感じると言う。
たまには思い出にしまった花を眺めながら
帰り道を歩くのも悪くない。