ボギーパパ

花束みたいな恋をしたのボギーパパのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
劇場2021-14 canal

坂元裕ニ脚本、土井裕泰監督作品
鬼滅を引き摺り下ろした作品という事で、このジャンルはほぼ観ないのだが、鑑賞してみることに。

こりゃ熱愛中の彼氏彼女が一緒にみちゃダメだね。

同じ趣味嗜好を持つ物同士が惹かれ合うのはある意味必然。この引力は通常のものより強いから、愛も一気に燃え上がる。とはいえ冷めるのも早いというのも定説。また生活を一つにするということは同じ空間でお互いが擦れ合う。互いが傷付け合うのか、樽の中で芋を洗うと皮が剥けるが如く真の中身が晒されるのか。

本作は麦くんと絹ちゃんのそれぞれの視点から一つの軸・事象を見つめて描いている。

時間が経過すればそのお互いの真の姿を目の当たりにし、想いも変化する事に気づく。考える。
この当たり前のこと、多くの人が経験したことを当世・超人気・実力派俳優を重ねることであらためて突きつけている。仕事に削られる様、愛が冷めていく過程を。

観た人は「あ〜あ〜あるある」とか「そうじゃないんだよ」「そんなこと言ったって・・・」とか思う。それで良いのだと思う。現在進行中の人も、過去の淡い(悲しい、苦い、切ない等々)思い出に浸る人にとっても。

本作の最も良かったのはラスト!まぁこんな事ないだろうけど、こうだったら幸せだろうなと思わせる。鬼滅を引き摺り下ろすのも頷ける。

とはいえ、ここまで偶然や趣味嗜好の一致ってあり得るのであろうか?(^^)まぁ良しとしておきましょう。絹ちゃんのご両親、岩松了さん、戸田恵子さん、さばけてて良かった!
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