通りすがりのナポリタン

花束みたいな恋をしたの通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.5
とても評価が高く話題になっていたので鑑賞
余韻が抜けないし、心に響く素晴らしい映画でした。

大学生の八谷絹(有村架純)は実家暮らしで、ラーメンの食べ歩きのブログを書いたり日々を平凡に過ごしていた。ある日、お笑い芸人の天竺鼠のライブを少しだけ好意を持っていた同級生の暇つぶしの焼肉で行き損ね終電を逃し、ネットカフェで一夜を過ごした。そして大学生の山音麦(菅田将暉)は家賃5万8000円のアパートで一人暮らしをしており絵を描く趣味を持ちながら日々を平凡に過ごしていた。しかし、麦は燃え尽き症候群でお笑い芸人、天竺鼠のライブチケットを財布の中にしまいっぱなしにするほど燃え尽きていた。そんなある日麦と絹は終電を逃し初めて知り合うのだった。そして麦と絹にはたくさんの共通点があり互いに惹かれていくのだった・・・

恋の始まりから恋の終わりまでをじっくりと丁寧に描いた今作、麦と絹は事件という事件は起きなく日々を平凡と過ごすどこにでもいるカップルなので自分の心情が投影しやすかった。男女の価値観や人生観の違いからすれ違うという、やはりどこにでもあるような別れの原因をとても細かく描写されていたのでそこも良かった。そして、たくさんのサブカルチャーが出てきてそれもリアリティがあった。(ゴールデンカムイが出てきたシーンは爆上がりでした笑)そのサブカルチャーを背景にしながら男女の価値観の違いがわかりやすく描写されていたと思う。やっぱり好きなものが同じ人は物凄く魅力的で好きになっちゃうなと思ったし、どんな恋でも始まりと終わりは何となく覚えているし、ふとした瞬間や一緒に観た映画、好きだった漫画などで思い出しちゃうのもわかるのでもう刺さること刺さること・・・絹と麦のようなカップルは多分この世の中にたくさんいると思った。男女の恋が終わったら愛になるのか情になるのか、または違うものになるのかは十人十色なのかもしれない。

菅田将暉と有村架純のエモさがやばい笑2人で過ごす日々がどこか現実味があって、やっぱり眩しい、そこがとにかくエモかった。2人の初々しい恋の初めから、少し熟して恋の終わりを感じさせる演技が素晴らしかった。この2人じゃないと麦と絹は演じられなかったと思う。

花束は貰う時はすごく嬉しくて花の名前とか調べちゃったりするけどいつかは枯れて捨てるか、押し花やドライフラワーにして無理やり枯れた思い出にしなくちゃけない日が来る。花束を恋に当てはめちゃうなんてなんてエモい映画なんでしょうか・・・・
(そしてショーシャンクの空発言男に笑ってしまった。)