キッチー

花束みたいな恋をしたのキッチーのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.2
菅田さんと有村さんのように美しいカップルではないけど、自分にも二人と重なる部分が少しあったんでしょうね。終盤ボロボロと涙が溢れてしまいました。

5年前の初々しい二人。こんな理想的な二人はなかなかいないよな~なんて思いながら. . .進んでいく前半。でも、時が流れれば、同じところに居られなくなってしまう。誰が悪い訳でもないのに、少しずつ変わっていくのを止められないのが、もどかしくなる中盤。大切なものを守ろうとすれば現実的な選択も増えてしまいますよね。恋愛と結婚は違う. . . 靴は象徴的でした。

自分にも大切なものが確かにあったなって、思い出すことが出来る素敵な映画。そして思い出した気持ちを大切にしたい。忘れそうになったら観なきゃいけないなって思える映画になりました。

映画では二人の目線から感じたことが二人の言葉で語られたり、文学的な感じがするのもいいですね。
そして、二人が好きなものとか、色々な日本のカルチャーも沢山出てきて、日本人で良かったな~なんて思ったり。

あと、二人が過ごした明大前とか、世田谷区のあの街、多摩川沿いの調布駅徒歩30分のアパートとか、自分も大学時代、井の頭線使ってたので懐かしかったな~。

少し前に観た菅田さんと小松菜奈さんの「糸」も好きですが、どちらかと言うと特別な二人を描いていた映画のように感じましたが、今作はどこか自分を重ねられる普通の日本の若者が描かれている感じが心地よく、多くの人の共感を得られる作品だと思いました。
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