けんくり

花束みたいな恋をしたのけんくりのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0
今さらながらU-NEXTで鑑賞(出遅れ過ぎて逆に観れなかったタイプの映画でした笑)。

坂元裕二ならではの印象的で共感性の高い"あるある"なセリフ回しと、主演2人の自然な演技が合わさって、強い普遍性を感じさせるラブストーリー。

この映画を観ていて思ったのは、"趣味嗜好が合う"と"価値観が合う"は、断じて同じではないのだなということ。

相手に惹かれ合うきっかけとして趣味嗜好って凄く大切だけど、長年一緒にいることを考えた時に、やっぱり価値観が合うかどうかはそれよりも重要で。

学生時代は"趣味>価値観"でどうにかなっても、将来のことを考えざるを得ない社会人においては、"趣味<価値観"とプライオリティが逆転するのだなぁと改めて。

もう一つ難しいなと思ったのは、10代〜20代半ばくらいまでは、同じ人でも価値観がコロコロ変わっていくということ。高校大学で学んだこと、付き合っている友人や恋人、働いている職場の環境、趣味に費やす時間…などなど、価値観に影響するファクターがあまりにも多過ぎる。

麦と絹も学生時代までは価値観が一致していたのにね、、。この価値観のズレを修復する手段として、麦の口から結婚のフレーズが飛び出してくるのも良くわかる。でもそれは「お前の価値観を変えろ」と、相手に強いるようなものだよね。