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静かなる男のyoko45のレビュー・感想・評価

静かなる男(1952年製作の映画)
4.5
 これはとても楽しい作品。
 両想いの男女を演じるジョン・ウェインとモーリン・オハラの息が合っていて、動きも大きく分かりやすいし、キスシーンも堂々たるもので安定感抜群です。
 駅と町の人々の騒がしさも面白く、列車の発車時刻が4時間以上も遅れていることお構いなく町中が決闘の場所へなだれ込んでいく様はなんとも大らか。
 家出したケイト(M・オハラ)をショーン(J・ウェイン)が客車から引きずりおろし、そのまま無理矢理引きずっていく光景は呆気にとられます。M・オハラ、痛くて大変だったと思います。
 そもそもこのドタバタの原因の一つが、結婚する際のアイルランドの風習をアメリカ人である男がよく理解できないことにあるのですが、男女がようやく手に入れた持参金をすぐに燃やしてしまう場面は気持ちがスカッと晴れます。それから始まる男二人の殴り合いが延々と続きますがなぜか微笑ましく、いつまでも仲良くやって下さいみたいな感じ。
 ふだん作品の題名は気にしませんが、静かなる男ではないですね。でも男が過去のアメリカでの辛い出来事を女に伝える場面はないので、そういう意味では静かなる男なのかもしれません。

(あらすじ)
 アイルランド、田舎の駅。列車から降りたアメリカ人の行き先はイニスフリーという名の町。小柄な男ミケリーンはアメリカ人を馬車に乗せる。道中、アメリカ人は見えてきた白い小屋を買うと言う。その理由は以前生まれ育った家だから。記憶がよみがえり驚くミケリーン、アメリカ人はかつての小さな男の子、ショーンだった。そして故郷に帰ってきた男は、羊の群れを追う赤毛のケイトに一目惚れする。
 ショーンは、小屋と土地を持ち主のティラン夫人から買うが、その土地を以前から欲しがっていた地主ダナハーの恨みも買うことに。さらにややこしいことに、一目惚れした男勝りのケイトがダナハーの妹であることが分かり・・
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