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静かなる男のSIのレビュー・感想・評価

静かなる男(1952年製作の映画)
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2021.8.11
自宅TVにて鑑賞

対戦相手を殺してしまったことで引退した元ボクサーの主人公は、帰ってきた故郷のアイルランドで一人の美女と出会う。彼女の兄であるひねくれた大男の妨害を跳ね除けなんとか結婚に至るも、持参金に固執する彼女のため主人公は男と遂に決闘に挑み、拳で理解しあった二人はビールで乾杯する。

ジョンフォード監督×ジョンウェイン。ヒューマンラブコメディ。
タイトル通りラストにカタルシスを持ってくる展開かと思いきや、殴り合って仲良くなるというドコメディで驚く。「なあヤンキーお前のこと気に入ったぞ」
というか、元ヘビー級チャンピオンの主人公は一般人を殴っては絶対にいけない。
婚約者であるヒロイン(モーリンオハラ)を8km引きずって歩くシーンは、昔は笑えたのだろうか。

ジョンフォードらしい見やすいパキッとした構図。カラーが非常に鮮やか。アイルランドの雄大な自然が綺麗に映されている。

ヒロインのモーリンオハラがツンデレで可愛らしかった。
明け渡した家を隠れて掃除していたら見つかり、主人公からの突然の情熱的なキス。慌てて頬をひっぱたき出ていくが、去り際にヒロインの方から勢い任せのキス。かわいすぎる。
このシーンは、スピルバーグが「E.T.」でオマージュしていた。
ヘルパーである小男役のバリーフィッツジェラルドもコミカルで上手い。

テレビと女は叩けば直る、といった感じの、時代を感じる古典でした。
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