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フロッグのSSDDのレビュー・感想・評価

フロッグ(2019年製作の映画)
3.8
■概要
10歳の少年が行方不明になり、街は市民も手伝い捜索活動が行われる。
過去少年を連れ去り緑色の万能ナイフを現場に残す同様の事件が発生しており模倣犯説が浮上していた…。
捜査をする刑事の家では、不倫をした妻を要因に家庭が崩壊状態にあり、日常に暗い陰を落としていた。
そんな日常生活で徐々に物が無くなったり、不自然に物が移動していたりと不可解な出来事が増えていた…。

■感想(ネタバレなし)
まったく予備知識なく観たのですが良かったです。まったく前知識なく観てもらいたい作品。

不穏な音楽の雰囲気と登場人物達の困惑した顔で何か不穏なことを感じさせ、話が動き出すのを引き込んでいく感じがたまりません。










■感想(ネタバレあり)
日本ではヒルという漫画もありますが海外では実際に不法侵入し、居住者に隠れて住み着く人間がいる事件が発生していた予備知識があったので、超常現象的な現象ではなくカエルマスクの人間が隠れていることは初めから予想できたのですが、全く意図が分からない。

そして少年の誘拐事件とはどう結びつくのかの予測がつきませんでした。

45分経過後からは二幕目も男女いることも正直分かりきっていたが、徐々にサイコ化していく男の行動にどこまでエスカレートして事件と繋がるのかと楽しめました。

不法侵入者の女性は明らかに被害者だし、彼女を使う理由は男にはなかったので巻き込まれていますね。犯罪者なため仕方ないんですが…。

また男はどうやって犯人の刑事を見つけたのかなと思っていましたが、刑事なんかが犯人であれば何かしらで目にしたりたまたま見かけた情報で犯人ではないかと感じ始め、屋根裏で潜みながら確認していたと考えれば自然かもしれません。

少年誘拐の犯人像に、刑事という職業の人間に対して先入観的に疑いを持たないというシンプルですが効果的な仕掛けがブラインドになり、話を複雑に想像させるいい映画でした。
世の理は時系列さえ追えればシンプルなのに、人一人の視点からは複雑に見えるというのは面白いことですね。

複雑に見える事柄を紐解いてシンプル化して解決するのが生業なので、いつもこういった映画のシンプルな内容を複雑に組み上げる逆転の発想力は素晴らしいなと思います。
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