takanoひねもすのたり

フロッグのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

フロッグ(2019年製作の映画)
3.2
コナー役のジュダ・ルイスって『ベビーシッター』『サマーオブ84』の男の子か!
見覚えあると思った……。

ハーパー一家。母親が不倫したことを知り激怒している息子コナー(ジュダ・ルイス)父グレッグは刑事、最近少年が誘拐されその件で頭を悩まし、更に不倫妻ジュディも悩みの種。
家庭内ピリピリムードの中、家の中で奇妙な違和感を感じるようになる……というスリラー。

前半と後半でがらっと話が変わる。
うまいことシナリオを捻っていて、劇伴の良さもあり緊張感がずーっと続く。

『フロッギング』って知らなかったんですが、違法行為をバレないようにするスリルを楽しむ
もんなんだろうなと。
気持ち悪いというか悪趣味な遊びだと思うけども。配信受けはするんだろうな。多分。

前半はハーパー一家の一触即発状態な家庭の様子+子供誘拐事件に関する捜査。
後半は視点が変わって、ハーパー一家が観察される側にあり、そこから浮かび上がる一家のある出来事とそれに巻き込まれるある2人……という形。

捻りがあるし、なるほどそっちへ持っていくかーと感心しましたが、後半の展開が波に乗るまでが少しテンポが悪い(隠れているという点があるので仕方ないかもしれないけれど)

上手くできているなーと思うし捻りもうまいこと効いているし、ある人物の逸脱していく行動と連動するかのようにグレッグ刑事の異質さが突然表出する仕掛けも効いてると思う。

だけど……個人的には少年誘拐事件に"動機"を求めたい。
子供時代に何かあったらしいことは言いかけて遮られた台詞で匂わせてはいるけれど、もう少し情報を出して欲しかった。

ラストはドミノ倒しのごとく。
スリラーなのであの結末でも良いかも知れないけれど、やっぱりスピッツ刑事から尋問/問い詰める場面が欲しかった(それに過去の誘拐事件で逮捕した犯人が実は冤罪だった……という問題もある)

全体的にはよく錬られた作品だと思いますが、それが面白さにつながっているかは個人的には微妙なところでした。
騙される快感も物足りず。ごめん。