竹野康治郎

すべてが変わった日の竹野康治郎のレビュー・感想・評価

すべてが変わった日(2020年製作の映画)
3.6
個人的には思った以上の胸糞映画でしたし、家族の話でありながらなんとも気味が悪い作品です。一方でなんか奪還作戦の無茶苦茶ぶりも凄いし、そこまでの表現も少し過激だったりと前後半で全く違うテイストでした。

前半はなんとも穏やかでややロードムービー的な要素もありながら、ケビンコスナーとダイアン・レインの演技に浸ります。なんか息子を亡くしてしまうが、ちょっとした理想めいた形を展開しながら、ゆっくりと味わうような感覚です。

ただ、その扉を開き、中に入った日からすべてが変わったように展開になります。互いに守るもの、それは命なのか、生活なのか、メンツなのか、様々なものが一気に交錯しながら、胸にどす黒いものが渦巻くような重さを感じます。苦しかったです。

家族のあり方、それは育った環境や親によってもバラバラ、そしてそれは地域にもよるし、年代にもよる。価値観って難しいが、その中にある人の幸せってなんなんだろうと考えさせられました。

ベースにある歴史的背景(1960年代のお話なのでアメリカは結構混乱しています)をある程度知った上で、鑑賞した方がいいのかなとも思いました。

熟練の演技と思わぬ展開を楽しんでいただければと思います。

2021年公開作品  23作目
竹野康治郎

竹野康治郎