広島カップ

ダーティハリーの広島カップのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
4.4
冒頭の五分。
異常犯スコルピオがビルの屋上から最初の殺人を犯し、捜査に当たったハリーが犯人の残した屋上のメモを見て「クソッ」と呟くまで...
何とキレのいいオープニングでしょう。

屋上からロングディスタンスでターゲットの水着女を狙う異常犯を撮ったシークエンス。クローズアップとロングショットの的確なチェンジで一気に劇中に引き込まれて行きます。
カラッとしたS.F.の青空をバックにラロ・シフリンの音楽が被さりリーゼント警官の「クソッ」がムチャクチャカッコいい。

冒頭からぐいぐい引き込まれた前半の夜と対比的な後半の日中、追跡劇をそれぞれに色分けしてメリハリをつけて作品全体をタイトにし、アッという間の103分。

そこにハリー・キャラハン刑事のそれまでの映画界に無い個性。
一匹狼で孤独の影を纏い下らない組織のルールは無用の刑事は言葉数が少ない代わりにマグナムに物を言わせる。

何故ダーティーと呼ばれているかって?劇中のセリフにありましたが、昔ながらの胸のスク逮捕劇でないところが正しくダーティーでそこが胸のスクところでした。
つまりは正義の味方だったはずの警察が正義では無いかもしれないけど悪を懲らしめるところで、組織ではなく個人主義というところ。

豪銃マグナム44は右手でブッ放しますが最後に池に放り投げる警察バッチは左手。
こんな無用な物は左手で充分だ!
本当は5.0ですけど敢えて4.4です。

no.1800
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