くわまんG

ダーティハリーのくわまんGのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
4.0
あらすじ:法が裁けぬ悪を叩く。そのためならダーティもディスもデスさえも恐れぬ男、ハリー・キャラハン参上。

半世紀前の元祖“外法処刑人モノ”にして、この色褪せなさにびっくり。当然ハードボイルドな雰囲気だろうと思ってたら、軽妙だったりサイケだったりアーティスティックだったり、随分と多彩でモダンな演出なんですねぇ。犯人も現代風で、いかにアメリカが犯罪先進国であるかうかがえます。

観客同様心に闇を抱えた人物ハリーが、観客同様汚れ役を押し付けられて泥まみれになりながらも、観客と違って絶対に悪党処刑を諦めないからアツい。ただ、その行動原理は「俺はどうなってもいい」、すなわち半ば捨て鉢に死に場所を探す類いのもの。癒えぬ過去の傷に蓋をするように、悪党をぶちのめす後ろ姿が寂しいのは、そんなわけでしょう。

他にも、相棒がハリーに惹かれていくところや、フェイク飛び降り野郎をあしらって辣腕ぶりを見せつけるところ、女の裸を追っかけて緊張感を解くところなど、アクション映画のお手本的みどころがたくさん。不朽の名作と言われるだけありますね。

うーん…いやねぇ、比較対象かどうかわからないんですがねぇ、僕は『フレンチコネクション』派ですわ。登場人物に寄りすぎないことで、イーストウッド礼賛映画より無情を煽るんだから、凄いよなぁなんて思いましたよ。

あと、“似ている作品”に『コブラ』がリストアップされてて笑いました。オマージュキャスティングなんですね。言うまでもなく、キャラハンよりコブレッティ派です。