ペイン

カモン カモンのペインのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.0
“キレイ キレイ”

拝啓、ヴィム・ヴェンダース&ピーター・ボグダノヴィッチ作品としてはきっと良い作品なのだとは思う。世評的にこれがマイク・ミルズの到達点、最高傑作と言われたらあまり強くは言い返せない部分もあるにはあるのだけれど…正直個人的には響いてくるものが殆どなく、途中睡魔にすら襲われた。

音楽から撮影から演技に至るまで端正な映画とは言えるけれど、あまりにも当たり障りなくトリガーポイントがないというか…それ故に今回はアカデミーに掠りもしなかったのかな?🤔と勘ぐってしまったりもしたほど(※前作の『20センチュリー・ウーマン』は脚本賞にはノミネートされている)。

作りとしては本作より軟派だけれど、『20センチュリー・ウーマン』のような自分の育った環境と照らし合わせて強く感情移入させられたりだとか、人が生まれて生きて死んでいくという“生命の循環(サイクル)”を鋭く突きつけてきた短編『I Am Easy To Find』のような深い感動はなかった。

やっぱり改めて自分は無難に整えられた作品よりも、未完成ながらも迸りを感じさせてくれる作品が好きなのだなと思い至った。

P.S.
それと、
“あの『ジョーカー』の後に選んだホアキンの次なる挑戦作!”みたいによく言われてるけれど、本作のホアキン、割りと通常営業な気が…(笑)。
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