APACHE

カモン カモンのAPACHEのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.8
【C‘MON C’MON】感想

伏見ミリオン座で鑑賞🎞

ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。

突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を描いたヒューマンドラマ。

はじめに
大きな事件が起こるような映画ではない。
これは、淡々と進んでいく日常物語。
そこをわかって観ないと、なんとも退屈な映画。

大人vsわがままな子ども
【ジョーカー】での怪演から一転して子どもに振り回される役を演じたホアキン・フェニックスと、ホアキンを手玉に取ったようなジェシー役のウディー・ノーマンの演技対決で、普段の子どもとのコミニュケーションを深く考えさせられる作品。

大人は子どもに対して聞かれたことを答えることを面倒くさく思ったらダメ。
子どもは一見何がしたいのか、何が言いたいのか分からないことが多いけど、ほんとはうまく言語化できないだけなんだ。
そして、物事の本質は案外見抜いていてるから、なるべく素直に嘘をつかず、ゆとりのある心で接しなさいと言われているようだった。

子育てをしたことがないオッさんが、子どもと思って侮って付き合うと痛い目にあうよと振り回されるんだけど、やっぱり子どもだから甘えん坊な一面も見せてくるし、それにも応えようとするホアキン大忙し(笑)

後半に進むにつれて心が通い合った二人が無邪気に戯れるシーンは、ただただ愛おしさがあふれ、『大丈夫じゃなくていいんだよ』と語るシーンでは、二人を見ているだけで涙がこぼれてきた。

愛情や温もりに満ちたホアキンの熱演と、新たな名子役ウディー・ノーマンの素晴らしい演技に優しい気持ちにさせられた映画でした。

考えたことは起きない。
思いもしないことが起こる。
だから先へ進む。
ずっと先へ。先へ。先へ。(カモン カモン...)
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