コーディー

カモン カモンのコーディーのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.2
ラジオジャーナリストとして子供達の声を集めてきたジョニーが甥ジェシーとの時間を通して痛感する〝聞く〟と〝関わる〟の違い。
思いも寄らぬ行動に頭抱えつつも9歳の少年が整理出来ずにいる感情を学び触れていく大人…世代を超えて人生に関わり責任を預かる喜びを見つめる素敵な映画だ!

自分について聞かれる事を拒むジェシーが録音マイクを借りてまず外の世界の音に耳を澄ます。そんな無言の対話を通して自分の中の恐れを理解していく展開が世代を超えたよくある交流とは趣異なる不思議な味わい。世話から対等な目線に変化していくジョニーの〝わからない〟への思索もとても誠実で好き!

平気なフリや理解したフリなど上辺の感情でなく深遠でやんわり触れられるような感情。まさに〝月の光〟に癒されるような優しさに、感動と言うより知らん間に泣いてたw挟まれる生のインタビューや様々な著書からの引用にも思いが巡る。
何よりホアキンの実直さと対等に心通わせるウディ君に圧倒された。

ジョニーと妹ヴィヴのこれまたやや複雑な関係性や彼女の息子ジェシーへの想いなど、母も懸命に光を探してる感じが胸を打つ。演じるギャビー・ホフマンも子役からすっかり逞しい母親になってて何だかしみじみw
本気で人に関わるのは面倒やけど、そこにこそ生まれる掛け替えの無い感情にブワッと溢れた。