子どもという「他者」の声を聴くということ。
子どもは、ときに夫婦をつなぐけど、ときには夫婦を引き裂く原因にもなる。
世の中には、子どもの存在によって救われた親と、救われなかった親が子どもの数だけたくさんいる。
昔子どもだった大人たちも、みんなそうやって大人たちに爪跡を残してきた。
けれど、大人になるとそんなことは忘れてしまうし思い出せない。
もしかしたら、子どもだったことを忘れたとき、人は大人になるのかもしれない。
本作は、そんな「子ども」という生きものの奥深さを伝えてくれる。
子育て経験ゼロなのに子ども相手の仕事してる主人公もわりとリアル。
大人の語彙をもっていないからこそ紡げる、子どもならではのことばを、聴く側の大人たちはどこまで尊重できるのか?
本作が投げかけてきた問いは簡単そうでいて、なかなか究極的だ。
正解があるわけじゃないけど、それでも本作にはひとつの答えがあったように思う。
それと怒れるときに怒ることも、心のためには必要みたい。
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個人的にはすごく好きなジャンルなんだけど、家でじっくり感情を整理しながら観たほうがハマったかもなぁ…。
ジェシーくん、主人公だけじゃなく観客の心を振り回すのも絶妙で、将来が楽しみ。