Kazu

カモン カモンのKazuのネタバレレビュー・内容・結末

カモン カモン(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます




あぁ〜なんて素敵な作品なんでしょう✨✨

どの場面を切り取っても素晴らしい絵本の1ページ、

忘れそうになっていた大切な何かを思い出させてくれる作品に出会った気がする。


今作はコミュニケーションの重要性をベースに、多くの子供達と"未来"について会話を重ねたインタビュー、そして数日間を叔父と過ごすジェシーとの会話でほぼ構成されている。

話す、聞く

相手を理解しようとすること、
自分の思いを語る

こんなシンプルなことが家族の中で少なくなっているのではないか?

この映画に収められているたくさんの子供達へのインタビューは実際の取材に基づいてるということもあり、
彼らから放たれるキラキラした言葉は、実に素直で正直で、自分を守ろうなんて微だと考えていない
、そんな言葉を宝物の様にクレジットが終わるまで埋め尽くされている。


初対面だから、知らない人だから、
おそらく、大人も子供もその方が本音って話せたりするのかもしれない。
確かに現在は知らない人と簡単に繋がれるツールがある、
しかし、小さな子供達にとってはとても危険を伴うことも現実、

もっと身近な家族や、友達、周りの人達と肌で繋がりたいと感じているのではないでしょうか?

ジェシーとジョニーは手探りの中
話す、聞くを繰り返し距離を縮め思いをぶつけ合いお互いを知り共感できる何かを見出す。

対話はとても努力が必要です。
逃げてはならない、どちらかが逃げるとコミュニケーションは成立しない。

そして、相手のすべてを理解するなんてことは難しい、

たとえ自分の子供でもすべては無理だ、しかし寄り添うことは出来るし、ほんの一部分でも理解し合えたらそれで幸せだと感じている。


私はなんでも自分の子供達に話す、特に娘には…😅
それが良いのか悪いのか?
もしかして迷惑がられているかも知れないけれど、隠し事が元来嫌いな性格だから仕方がない…笑笑

家族といえどひとりの人間、相手が話したくないことまでは立ち入らない(それが私のルール)
いつの間にこんな言葉を覚えたの?
あんたどんな人生経験して来たの?笑笑
って驚くほど真面目に私にぶつかって来る娘や息子が微笑ましい。

今作で人との"距離感"というとても難しい問題を再確認させられた。
繊細に丁寧に美しい映像と共に素晴らしい脚本とで今までにない感覚で問うてくる。

人生は苦しいことの連続、思い通りにならないことの方が多いよ、
って今の子供は知らない間に感じ取っているインタビューにドキリとさせられた。

「未来? 悪くなるかも知れないけれど、今よりも悪くならない様にしなくてはならない。」

こんな言葉を子供に吐かせなければならないなんて・・・

ホアキンの質問とそれに応える子供の言葉に胸が苦しく涙が溢れる。

それでも、前に、

C'mon C'mon先に先に
進まなくては・・・



マイク・ミルズ監督は家族をテーマに特に母親の心情に寄り添う素敵な脚本が多く、大好きな監督です。

あぁ〜ホアキンの笑顔を観れるだけで本望と思っていた作品だったけれど、それの何倍、いや何百倍も得したなぁーーー🥰
Kazu

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