闇夜の白鳥 母は剛
親から虐待されている親戚の少女を預かることになった主人公が、ぎこちない共同生活の中で徐々に絆を結んでいく姿を描いたヒューマンドラマ、、、
終わってすぐに感想をまとめるのが難しい作品でした。
いろいろと考えたのですが、
"あんたなんかに何が分かるの" と劇中でもあったように凪沙の痛みや苦しみ、ひいてはLGBTQの生き辛さを分かりたくても、"本当の意味"で理解することは当事者以外はできないのかもしれない。
草彅剛と新人の服部樹咲の演技やバレエは本当に素晴らしく、それは他の方が既にたくさん書いているのでここでは割愛します。
演出面に関して
過酷な現実を見せつけるようにあえて説明を省いているともとれるが、少々説明不足と感じるところがあり省略の仕方に疑問を持ったのも事実。
その辺りは原作を読めばまた変わるのかもしれないが、それをしないと補完できないというのは映画としてどうなのか。
あとこれは少数意見かもしれないが、お涙頂戴の為の音楽が少しクドいというか邪魔をしてるように感じてしまった。
ここぞという時、例えば海のシーンの時だけ流すとかならまだ良いと思うけど。
ただエンドロールの曲は良かった。
個人的には一果とりんの友情を描いたシーンが凄く良かったので、そこをもっと観たかったというのもある。
最後まで観てもどちらかというとこの映画の真の主人公は一果だと感じたので、りんとの話にももう少し厚みがあれば尚良かった。
終盤のクライマックス
あの入水以降のシーンは"現実"であって欲しいが、もしもそれが"夢"だったとしたら辛すぎますね…。
ただ間違いなく言えることは、
凪沙は人生最期の冬、確かに一人の強い"母"になっていたということ。
"なってない"
"なったよ"