このレビューはネタバレを含みます
どうしようもない事にまみれた映画では合ったけれど、凪沙は無償の愛を知った事で救われたのではないだろうか…と思うので、決して悲しいエンディングではないと思う。
やりたいことが何一つできずに己を隠して生きてきた思春期の自分をいちかに重ねて、いちかがバレエを続けることができるようになった事で幼い頃の自分を救ったような気分になれた部分もあるよねきっと。
あとは、LGBTQの人々が直面する差別が、細かい描写で描かれていて心臓がキュッとなった。瑞稀が戸籍上の名前で呼ばれて訂正した時の警察の半笑いというか苦笑いというか…とてもリアルだなと。大きなイベントというよりもああいう小さな事の積み重ねによって人が段々と削られていくのだと思う。