SSFF & ASIA 2020 秋の映画祭 オンライン会場で鑑賞。
まもなく最後の時を迎えようとしている老人男性。
雪が降ったその日、彼は、かつての記憶を思い出す。
短編映画『なぎさ』がすさまじかった古川原監督作品ということで、鑑賞。
前作では学校のプールでの水跳ね音が印象的だったけれど、本作では、森の環境音へと変化。
両作品とも、死者との記憶を明確に浮き立たせる装置として音響効果が使用されており、そのこだわりは、唯一無二の作家性ともいえるのかも。
映画が持ちうる様々な側面の中には、「かつての経験を呼び起こすトリガー」としての働きがあると思っているが、この監督の作品には、とりわけ、その要素が強いように思う。
それゆえに、思い当たる節がない人には退屈と思われてしまうものの、逆の場合には、とても強烈な作品だと思う。
監督には、この作風で映画を作り続けていただきたいし、そうすれば、いつか、海外の映画祭で高く評価されるのではないかと、かなり期待をしている。