メッセージ性が極めて薄っぺらい
「アンフェア」シリーズの秦建日子 氏による原作を「SP」シリーズの波多野貴文が映画化した作品ということで、リアルかつ骨太なサスペンスものを期待したが、きわめて薄っぺらい物語で落胆した。
Netflixのドラマ「今際の国のアリス」と同じく、渋谷の超巨大セットで撮影された中盤のシーンは見応えがあるが、予算をそこに全ツッパしたのか、その他は犯人たちが発するメッセージもぶつぶつと切れる編集も冗談かと思うようなレベルの低さに唖然とする。
佐藤浩市や石田ゆり子など、超一流の役者による群像劇も、広瀬アリスの「それ必要か?」と思うような登場人物がたくさん出てきて物語の緊迫感を削いでいる。
テロのリアリティという意味では『SP 革命篇』はホントに良くできていたんだなと思った。