またたび

ファーストラヴのまたたびのレビュー・感想・評価

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
4.0
島本理生の直木賞作が原作くらいの予備知識で鑑賞。 
北川景子が主演でブレイクしまくっている中村倫也が相手役というから商業ベースに乗っかりまくった作品だと思ってあまり期待していなかったが...思いのほか良かった!男の人は全く理解できないだろうなぁ。この話は決して空想の話ではないのだよ。また脇のキャストが良かった!
窪塚洋介はパッチギも観ていない。池袋ウエストゲートパークも観ていない。マンションから飛び降りちゃったヤバい奴というのがこれまでの私の印象だった...予兆はあった。酷評した映画みおつくし料理帖で、小松原さまを演じていて森山未來派だった私にも窪塚の演技は悪くなかった。あれっこういう演技をする人なの?とそれまで窪塚洋介のことを何も知らずにただの噂と印象(マスコミからの扱われ方)で避けてきた。
しかし!!この作品では北川景子はともかく、窪塚洋介めちゃくちゃ良くない⁈こんな穏やかな善人を演じられるんだぁと感心した。存在感抜群!演技も上手い。
芳根京子も良かった!この子は朝ドラヒロイン(べっぴん)をやったがで、珍しくNHK大阪作品ではずれだった。話自体が暗くてヒロインが気の毒だと思ったが、なんとこんなに実力のある子とは!!そういえば土屋太鳳とW主演の累でも凄かったのを思い出した(奇しくも土屋太鳳もハズレ朝ドラ回だった)。
作品のストーリーはリアル。
男の人にはこんな親や女の子や設定にリアリティがないという人もいるだろうが、私は仕事柄こういう人たちに関わることが多く、現実には実は多いと思う。人は自覚するとしないとにかかわらず、トラウマに支配れて人間関係を構築する。裁判で明らかにされるのは事実だけで真実ではない。この映画のリアリティは、結局、少女は有罪になるところだ。
児童に対する性的虐待は実は多い。表面化しているのはほんの氷山の一角。大人たちの男たちのどういうつもりかなんて問題じゃない。抵抗できない子供が何を感じているのか、子供が自分にされたことを理解できるようになったときにどう思うのか。そこを問題としているところにこの作品のリアリティがある。
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