りーせー

由宇子の天秤のりーせーのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.2
試写会にて

まだまだ上手く言葉にできなくて
整理を兼ねてここに綴っていこうと思う

まずは2時間半の映画を、ここまで集中して、先の展開みたい、みたいと思いながら
見終わったのはほんっとに久しぶり。
凄かった
何がすごいって、言葉に出すと安いんだけどね、
脚本、シーンの構成、
そして役者さまたち。

BGMもほとんどなくて
ずっと役者と共に展開を追ってるから
本当に何か一つでも欠けたら集中が切れてしまうかもしれないんだけど、
それがなかったのよね。

しかも見事に「由宇子視点」で前のめりになってたから、え??え????って
心の整理がつかないまま、鷲掴みにされて、ああ。。え、どうしようねって
とか思ってると『側ってなに?』
って言われて、
あ、私も今「由宇子側」で考えてたわ、
とか思ったり

絶対的なものはない
正義が正しいわけじゃない (←日本語おかしいかな)
って、頭ではわかっていて
だからこそ色んな人の視点を見ようとしているのに
結局その人の言葉の真意や重さを理解できるのは経験した人だけであって。
「対岸の火事」
でしかないんだろうなって

でもそりゃそうだから、
光をあてる仕事をしている
わけなんだけど、

ああ、だから本当に考えがまとまらないんだけど!
結局自分の目で見たものが「全て」であるならば、見たくないものもやっぱりあるし、知らなければ良かったことなんて沢山あって、
でも情報はやっぱり必要で、
確かめる作業も必要で、
でも人それぞれ今できること、
環境によって取捨選択は変わってくるわけで
自分にとっての最善が他の人には違ったりして
優先順位も違ったりして
でも命には変えられなくて

どんな決断をしても後悔してしまうこともあるかもしれないし…
正義と覚悟、他者と自分、
なにかを守るということは、
なにかを犠牲にするということ

人生ってそういうものなのかもしれない


ーーーー

腕時計をあげたのは
由宇子にとっての贖罪に見えて
なにか形で示したいっていう気持ち
だったのかなと思って、
だからそれを返された時の
償わせてもらえない苦しさ
みたいなのが、ラストに繋がったのかなと思った。

腕時計を返す父も、
「父親として」「娘に」してあげたい
という愛が見えてよかった。

萌の「ダメ?」は脚本的に狙っているのかしら。あざといとかじゃないのに、
あれ言われたら絶対いいよって言っちゃうわ。なんか、ドキドキした。。


仲間の昇進、出産という明るいニュースの対比をひきで撮ってるのが、なんのとりとめもない日常感があって良かった。

そして由宇子にとって触れるとはどういうことだったのか、気になる。


最後、由宇子が自分にカメラを向けた

映画を見た瞬間は贖罪の意味が強いのかなと思った
だけど今こうして感想を書いていて、
自分自身と向き合うことかなとか、
生き返ってこれから歩いていくための
記録かなとか
色々考えて、面白い。


個人的にはフライヤーのビジュアルから想像していた人間関係、とは全く違った!

みなさま、観てください。9/17〜

2021年ー65本目
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