げんげん

由宇子の天秤のげんげんのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.0
いじめ事件のドキュメンタリーを撮影中の主人公は『中立の立場』として事件を明らかにしたいという思いがあった。ところがある日、主人公は別の事件で『関係者』になってしまう。その時彼女が取った行動とは?

タイトルそのままに、映画で何度も「正しさ」を天秤にかけていきます。私達がニュースで知る事件は基本は第三者。だからキレイごとの正論も言う。他人事なので。だけど、実際に自分が関係者になったらどうかな?ってのをこの映画は問います。

これまでは傍観者でしかなくただ真実を求めてきた主人公が実際に関係者になった時気づきます。正しいことは何なのか?
ドキュメンタリーを撮影してきた主人公は被害者、加害者、そしてその周りの人がどれだけ被害を被るかを知っているので。

途中途中の主人公の行動・言動に『そんなんあかんだろ』と思うのですが、見終わって振り返るとそれは見ている自分が部外者だからかな、と。関係者だったらどうかな?その正義は正しいかな?と迷います。主人公は常に正しさを天秤にかけ迷っています。また途中で真実すら怪しくなってしまう展開が上手いと思います。

2時間半の映画ですが退屈しません。エンドロール流れた時『え?もうそんな時間?』って思いました。

2021年84本目
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