Ryoma

由宇子の天秤のRyomaのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
3.6
正直に言っちゃうと、画面の美的センスは皆無。
しかしこの作品はそいういう「ショットの詩」で魅せる作品ではなく、「脚本の抉り力」で魅せる作品であると思うから、画面のセンスではなく脚本の良し悪しで評価すべきだ。
で、そういう意味で言えば脚本は素晴らしい。まるでポンジュノの脚本のように「脚本の複雑さ=人間社会の複雑さ」となっている。
ラスト付近の虚無の連鎖も見事。ともすればふわふわした展開になってしまいがちな「畳みかけ」だが、しっかり地に足ついた真実味を帯びている。まるで生々しく脈を打つ赤黒い血糊のような真実味を。
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