100HEARTS

由宇子の天秤の100HEARTSのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
3.5
全編重い。唯一明るいのは、父親が映画のチケット持ってきて娘とお前お前言い合ってるシーンくらい。

番組制作者は「俺達が繋いだ物が真実だ」と語っていたが、そのピース自体が嘘だったとしたら。仕切り板を外して目を見て話しても、その人が真実を話してくれるとは限らない。

登場人物の住んでいる部屋や「普通に大学行って普通に稼ぎたい」という言葉に、リアルな境遇や貧困が描かれていた。萌の父親の髪型・服装・言動含めたどうしようもなさが実在感があった。

中盤の「司法は許しても社会が許さない。自分が楽になりたいだけ」という由宇子の父親に対する言葉がそっくりそのまま彼女に返ってくる。そう考えると父親を退場させて真実(らしきもの)を語ったのは彼女のけじめだったのかな。
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