ブラジル南部が舞台の愛の物語。
視力の衰えた偏屈老人エルネストと、若い女性ビアのめぐりあい。いくつになっても人は新しい物に喜びを得られるし、人生は楽しそうだ。そして年の差があっても分かち合える。手紙とビデオレターを通じた互いの成長が温かい。
生老病死や愛別離苦をめぐる全てが味わい深い映画だった。ポルトガル語とスペイン語が美しい作品だけど、言語や信仰の壁を越えてあらゆることが普遍的なのだと感じられる。エルネストが踊り出す場面は愛しく、その喜びがじんわりと伝わってくる。
エルネストと同世代の隣人ハビエルとのユーモア溢れる友情は微笑ましくも羨ましい上に、ビアの大きな瞳には否応なしに引き込まれそうになる。