ホームコメディとしての土台が魅力だった「アントマン」シリーズだけど、この3作目は割と早い段階で量子世界が舞台になって、最初はやや戸惑ってしまった。
でも、このCGの映像が何処かB級っぽくて、クリーチャーのデザインも明らかにコミックのノリ。あ、これ確信犯なんだろうなって理解してから以降、遊び心溢れるぶっ飛んだ世界を存分に楽しむ事が出来た。
で、目や足の数さえ様々な、この多様世界の中でも、しっかり親子愛を描いているのが良い。前2作では幼い少女だったキャシーは、ティーンになって登場。「ドクター・ストレンジ」のアメリカ、「ホークアイ」のケイト、「ミズ・マーベル」のカマラ等、ここ数年でMCUには魅力的なティーン女子が多数登場しているので、もうマーベル版「セーラームーン」を結成できそうなレベル(嘘)。この辺の登場人物が、シリーズの要になってきそうで、とても楽しみだ。
一方、スコットを演じるポール・ラッドはやや老けたように見えるが、それが絶妙に哀愁を帯びた親父っぽさを醸し出していて、他にない存在感を感じさせる。
「エンドゲーム」以降のMCUは賛否両論みたいだけど、皆が高得点を付けていたフェーズ3の頃より、今のように色んな感想が出てくる方が映画として健全だし、僕はむしろ居心地が良い。