沖縄は、まだ戦場だ。
地元の話だから贔屓目はあるけど、これは日本人全員に観てほしいドキュメンタリー。
石川県から沖縄にやって来た1人の少女、菜の花さんから見た沖縄の現実。
そして少女が肌で感じた沖縄差別。
太平洋戦争では日本の国体護持の為に捨て石にされた沖縄。
日本で唯一地上戦が行われ、当時の沖縄人の1/4が犠牲になったと言われる。
そして今、日本にある米軍基地の約7割が沖縄に集中。
その面積、実に本当の15パーセントを占める。
個人的には米軍基地はそこまで反対ではない。
日本は北朝鮮と中国(なんなら韓国も)という油断のならない国がお隣さん。
抑止力という意味では必要だと思ってる。
でもね、そこに大前提としてそこに住む人々をまず守るべき。
日本政府の強引なやり方や、米軍の一部クズどもの犯罪は本当に腹が立つ。
県民の総意でNoという意志を意にも介さず、辺野古の埋め立てを強引に進める政府。
事件が起きても遺憾しか言わない政治家。
そりゃあね、コロナ対策でマスク2枚配布しますとか言ってる時点で国民を虫けら程度にしか思ってないのが分かる。
そんな政治家たちがましてや沖縄のことなんて真剣に考える訳が無い。
そしてオスプレイやヘリの墜落、落下事故を頻繁に起こす米軍。
酔っ払って民家に押し入ったり、レイプや殺人を起こす米軍人。
映画でも触れてたけど、小5の女の子が米軍人3人に拉致されてレイプされたという事件は本当に衝撃で忘れられない。
そんな事件が起きても日本で裁けないことも。
こんなんじゃ被害者はもちろん、家族や遺族も浮かばれない。
こういう事件を小さい頃から見聞きしているから、あの「怒り」とかいう映画は口が裂けても面白いとか言えない。
沖縄を離れて、もう内地にいる期間の方が長くなってしまった。
今や沖縄のことは、どこか遠い国の出来事のような感覚になってしまってた。
でもこの映画を観て、色んなことを思い出した。
思い出して、涙が止まらなかった。
菜の花さんが言う。
沖縄の明るい面しか見てなかったんだと。
たぶん多くの人がそうなんだろう。
なかには沖縄を政府に補助金をたかる寄生虫扱いしたり、沖縄が主張する基地負担の数字はおかしいと言い出す輩までいる。
でも数字じゃない。
そこで生きている人達の安全が、生活が脅かされている。
それを日本人なら知っておいて欲しい。
この映画を観て、ちむぐりさの意味を感じて欲しい。
「娘は戦場で生まれた」という映画に衝撃を受けたけど、ある意味ではそれに匹敵するくらい重みのある映画。
この映画を作るきっかけとなった菜の花さん。
どう見てもヤクザな漁師との会話で見せた涙が忘れられない。
沖縄に寄り添ってくれて本当にありがとう。