わたふぁ

Wendy(原題)のわたふぁのレビュー・感想・評価

Wendy(原題)(2020年製作の映画)
4.0
J.M.バリー原作のピーターパンを独自解釈してWendy目線で描いた、攻めの一作。

寂れたダイナーでパートをする母親のまわりで育つ3兄弟と長女ウェンディ。彼らは、どこまでも遠くに行ける列車に強く憧れた。創作するおとぎ話のメインにはいつも列車があった…。

その後には、ネバーランドも、ピーターパンも、フック船長も登場する確かにこれは"ピーターパン"なのだけど、オリジナリティが振り切ってて、すごく心を鷲掴みにされるシーン満載だった。色使いやトーンが綺麗だった。
機内ではなく大画面でもう一度観たい。とても大画面が似合う映画だった。

「一生大人にならない、ずっと子供のままでいる」と誓う子供たちを横目に、母なる大地は、何万年、何億年かけてもまだ姿を変えようと疼き、もがき続けている。
その途轍もなくダイナミックなエネルギーは確かに子供たちの胸の中にも共鳴し、自然の摂理に抗うことは無理だと悟ったように見えた。それは決してネガティブな答えではない。清々しい冒険の終わり。