takato

エルヴィスのtakatoのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.4
 高橋ヨシキさんのオススメに間違いなし!。バズ・ラーマン印なのがopのロゴからエンドクレジットまで刻印されたビカビカギラギラな、滅びを運命づけられた英雄の悲劇として見事の一言。


 とにかく冒頭から外連味とハッタリの効いた愉快な展開でポンポンとエルヴィス誕生の物語がめくるめく輝きを放ってるところの段階ですっかり魅了されました。ずっと良い人ばっかりやってきたトム・ハンクスがバランス論を意識してか演じる悪役な大佐の単純じゃない味わいも良いし、なによりエルヴィスの色気が凄い!。私はゲイではないが、彼が全身から放っている艶めいたエネルギーには本当に痺れました。


 序盤から中盤にかけて凄いスピードで進むから、これなら人生全部を余裕で描けるなぁ〜と思っていたが、後半のショボショボ期になってからはペースが落ちてきてしまうのは正直残念だったが、それでもラストのわかっちゃいるけど切ない締め方には思わずシャッポを脱ぎました。


 本作を見て改めて、自分は作家の個性の色が強烈に出ていて、小賢しい整合性やリアリズムに囚われず、それでいてエンターテイメントのバランス感覚を失わない監督こそ一番ピンとくるタイプなんだなぁ〜と再認識。「マーヴェリック」みたいな作品も好きだが、こういうよりギンギンに尖っている作品のがより好みです。
takato

takato