HicK

エルヴィスのHicKのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.4
《オースティン最高!でも演出…》

【ほぼ2回目の鑑賞】
劇場鑑賞時に途中で断念した作品。疲れてたせいか、今作の忙しい演出についていけず…。あとでじっくり見たいと思い退館。エルヴィス・プレスリーはニワカで好きなので今回、再度挑戦。

【エルヴィスナンバー】
1番好きな「バーニング・ラブ」が起用されてて嬉しかった。「好きにならずにいられない」も流れた。やっぱりいい曲。そして、こちらも好きだった「サスピシャス・マインド」の歌唱シーンにはグッと来た。

【オースティン・バトラー】
本人映像に負けない、違和感のない存在感。セリフの言い回しから歌唱シーンまで、本人が乗り移ったかのような演技に圧倒された。チヤホヤされてても落ちぶれてても、めちゃくちゃ絵になる。その点でもエルヴィスにピッタリのキャスティング。

【ただ、演出が…】
個人的な好みとして、やっぱり今作の演出面はちょっと自分とは合わなかった。モンタージュを多用してるので、全編通してカットが速い、忙しない。目まぐるしいダイジェストを見てるよう。秒単位で切り替わり続ける編集に集中力がはじかれる。じっくり見入れるシーンが少ない。

画面演出もスタイリッシュ過ぎるというか、(セリフでもあったが)スーパーヒーローもののド派手な演出。エルヴィスを表した演出だとは思うが、気が散った場面も…。音楽は"Theサスペンス"的な楽曲だったり劇的過ぎるものが目立った。カバーソングの多用は(それ自体はカッコいいが)、本人の物語にカバーを流す違和感もある。全てにおいて自分にはToo Muchだったのかもしれない。派手なエルヴィスには合っているが、語りたい物語には合っていないような気もした。

【総括】
演出面はやっぱり2回目でもちょっとつらかったが、それでも、オースティン・バトラーはかなり良かった。エルヴィスを蘇らせた彼は満点以上をたたき出した。そして、楽曲が突き刺さる作品だった。"檻に閉じ込められたスーパースター"を後世に伝える作品。

直近だと「エブエブ」の忙しさは大丈夫だったんだけど、なにが違ったんだろう…。やっぱり速さとダイジェスト感かな?
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