コウキ

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4.4
夢を追うのはいつまで許される?

ミュージカル作家ジョナサン・ラーソンの伝記。30歳の誕生日を目前に控えたジョナサンは、焦りを隠せない中、夢を叶える最後の勝負に挑もうとしていた。

夢を見続けるのか、あるいは現実を受け入れるのか。人生で誰もが一度ぶつかる決断。だからこそその決断に悩み、苦しみ、葛藤するジョナサンを演じ切ったアンドリュー・ガーフィールドは素晴らしかった。

親友であるマイケルとの関係性が素敵で、親友と過ごした子供時代から現在までを振り返る『Why』は印象的だった。
誰もが夢を現実にできるわけではない。その才能や運があるかどうかは当人の努力で補えるものでもない。けれど、人は何かに熱中し、全力を注いでいるときに光り輝く。そのことを理解し、側で支えてくれたマイケルは、ジョナサンにとってかけがけのない存在だったと思う。

夢を追ってもいい。夢を追わなくてもいい。ただ、自分が全力を注げる、輝ける場所にいること。それが人生のキーポイントだと伝えてくれる作品。
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