橋本かおる

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!の橋本かおるのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

良かった点
・熱量(役者、スタッフの作品愛)

悪かった点
・アフレコ
・パートナーの描き方

ジョナサン・ラーソンは、
ミュージカル関係者にとっては避けては通れない、伝説的な人物。

その人物の自伝的映画、という素地があるかないかにより、伝わるものや感じるものも違うだろう。

ただ、彼の創り手としての生き様は、
今何かを生み出そうとしている人や、
夢を諦めた人、一度でも何かに全力で打ち込んだ事がある人にとっては共感せざるを得ないものだ。

私も29歳という歳で、
日本でオリジナルミュージカルを創り続けている身として、自分を重ねざるを得なかった。
自分とジョナサンとはその才能や努力含め比べ物にならないだろうが、自分には自分の思いがある。
そのような状況では、もはや冷静に鑑賞する事は不可能だった。

私はこの映画を観て、すぐに曲を書き始めた。背中を押された。死ぬまでやれ、と言われた様な気がした。

微妙に感じた点としては、
まず女性パートナーの描き方、お芝居。
確かに関係性として描く必要がある人物だが、なぜか色気を感じる場面が多く、ジョナサンとの関係性を効果的に描くのであれば
もっとナチュラルな出立、お芝居をさせるべきだったと思う。
挫折を味わいながら、生きていく道を選ばなければならない中で、ジョナサンと関わる、という存在としては、ノイズが多かった。

また、楽曲自体は素晴らしかったが、
芝居とのズレ、微妙なリップシンクのずれが気になった。

ただ、この映画は間違いなく、
ミュージカル映画をという形の完成形をとらえた作品だと感じた。

Netflixで観られる映画だが、
映画館で観劇できた事を嬉しく思う。
勧めてくれた友人に感謝している。