二人の会話が間の抜けた感じでとても面白い。安心して観れる。
みなみは、上白石萌歌の素のキャラがそのまま役になったようで、天然さがよく出ている。愛すべきキャラ設定だと思える。もじくん(細田佳央太)も同じ空気感で、適度に間が抜けていてよい。
好きなアニメが同じだったというだけでここまで盛り上がれるのはすごいなと思うが、それはあくまでもきっかけで、通じるものがあるからこそそういう結末になるのだろうなと思った。
思えば、作品の中で主人公が「旅」をするとき、その前と後で何かしらを得て元の場所へ戻る、というパターンが多いと思う。自らのルーツである出生の秘密である親(父や母)との出会いであったり、他の人の生き様を覗き見る機会であったりする。そんな出会いがあった後は、その体験で主人公は少しだけ背伸びして終わる。なんでもないような数日間だったとしても、やはり何かを確実に持って帰っているのだ。
教祖であった父の過去はその姿からもはやみじんも感じられず、ただひたすら穏やかな父親としての姿がそこにあるだけだった。トヨエツのあの感じ、好きだけど今までにあまり見たことなかった。「20世紀少年」の印象が強いからかな。
全体的にゆるやかに進むのでとっつきやすい。いい休息になった。