爆裂BOX

ケルベロス 紅の狼の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ケルベロス 紅の狼(2018年製作の映画)
3.4
国家特殊武装捜査班のミゲルは横領の罪で州知事コレアを逮捕するが証拠不十分で釈放される。更に幼い娘アリスを殺されたミゲルは暴動の最中偶然手に入れたガスマスクを被ってコレアに復讐するが…というストーリー。
facebookで公開されて人気を博したブラジルのコミックの映画化です。このタイトルは主人公の赤く目が光るガスマスクが押井守監督の作品の「ケルベロス」と似ているからつけられたようですね。僕は未見ですが。この赤く目が光るガスマスクのダークヒーローというビジュアルがイイですよね~。「バイオ2」のハンクとか大好きなのでこのビジュアルだけで鑑賞した感じはあります。
物語は武装捜査班に所属する主人公が娘を殺され、更に悪徳知事へのデモの最中手に入れたガスマスクを装着して知事を殺したことを切欠に悪徳政治家たちを次々と殺していくという「パニッシャー」や「必殺仕置き人」の様なダークヒーローものです。主人公が悪徳政治家たちを殺していく理由は完全に私怨ですけど(そもそも娘殺したのが知事の指示なのかもわからない)標的となる奴らがまあ悪い奴らで最初に主人公の正義漢ぶりも描いているので「ダークヒーロー物」として見る事は出来ます。犯罪者相手ではなく最初から最後まで悪徳政治家たち相手なのもぶれない感じで良いですね。ちょっとチャンピオンでやってた「アクメツ」思い出しました。
主人公は別に無敵超人という訳ではなく何故か装着すると目が赤く光るガスマスク被った警官なんですが、鍛え上げられた身体と卓越した戦闘スキルで次々と標的を葬っていく姿は中々カッコイイ。相棒に追われてパルクールのような動きで逃げる所もカッコよかったですね。複数のSP相手でも難なく倒す強さを見せつけますが、逆に対等に戦える相手がいないのでちょっと地味な感じはありましたね。逮捕されて殺されそうになってその窮地を潜り抜けてそのまま大統領邸に殴り込みに行く終盤の展開は中々アツかったです。
主人公の正体知っていて相棒となるハッカーの女の子もイイキャラだったと思います。主人公の元嫁さんが主人公に言う事はいちいちもっともだなと思いましたね。
途中誤射しちゃう展開ありますが、主人公があんまり動揺したり引きずったりする感じがなかったので無理に入れなくても良かったんじゃないかなと思います。ラストは続編ありそうな感じでおわりましたね。シリーズ化するのかな?
しかしブラジルの政治腐敗はそんなに酷いんですかね。「政治腐敗は社会に必要だ」なんてセリフもありますし。そんな社会を過激な方法でも正してくれるヒーローを待ち望んでいる背景があるからコミックも書かれてヒットしたのかな。まあ、現実にはダークなヒーローも居ませんが。日本もあんま人の事は言えないしね。
ダークヒーロー物としては中々楽しめる作品じゃないでしょうか。主人公のヴィジュアルだけでもカッコイイですしね。