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ロード・インフェルノのYSKのレビュー・感想・評価

ロード・インフェルノ(2019年製作の映画)
4.6
エンターテイメントの見世物として、こんなに愉快で痛快な作品はなかなかありませんね

煽った側、主人公は当然ロクでもありません、助手席に妻、後部座席に2人の娘を乗せているというのに車間は詰めるわパッシングはするわ、あげく抜かす際にも挑発し、途中で立ち寄ったスタンドでそれを注意されようものなら激高、周りに大勢の人がいるのに暴言と暴行をまき散らし自らの行いを正当化することしかいたしません

対する煽られた側、サイコパスも当然サイコパスですからロクでもありません、物語冒頭ではロードバイク乗りと揉めており、その際は正面から轢いたあげく恐らく殺しています
主人公からの煽りにしても、表面的には非常に穏やかながらもその行いを非難するために交通法規を犯しているのですが、もちろんサイコパスですからそれを悪いとは思っていないでしょう

そして妻にしてもそう、サイコパスからの襲撃を振り切り逃げ出したのはいいですが、逃げることしか考えていないため運転は非常に乱暴、住宅街だというのにスピードを落とすことなく通行人がいようが子どもを轢きそうになろうが全て無視、道を乗り越え垣根をなぎ倒して逃げまどう様は非常に滑稽です

この作品について一番簡単に感想を言うと「イライラする」に尽きると思います
特に主人公は最悪レベルです、非常に矮小な器であることに気がつかずちんけなプライドと一瞬の怒りで家族を危険にさらしたことは間違いありません
自分の都合で前を行く車を煽ったのは論外として、謝ればいいところを謝らず、警察への通報もやめさせ、謝罪すると言いながらも言い訳がましく、目的地まで警察へ護衛を頼んだくせに目的地手前で帰らせようとする、自らも死にそうになり家族を危険にさらしてなお保身に走るあたりは演出として仕方ないレベルを超えて「イライラ」するに違いありません

上にあげた住宅街を暴走するシーンやサイコパスに奪われた携帯電話を取り返そうとするシーンなど、ヒヤっとしたりドキっとしたりするシーンは非常に多いです
恐怖感緊張感を煽る演出も見事ですが、イライラしすぎてマイナスに評価されることがむしろ心配です

例年だったらこのゴールデンウイークで高速道路は大渋滞、もしかしたらこの作品のようなシチュエーションの事件も起きていたかもしれませんね

母親にシャワーを浴びせられている主人公の情けなさで加点、非常に気持ちのいいラストシーンにも加点したいな
あと2人の娘が天使すぎて35億点くらいあげたい気持ちもあります
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