『死刑台のエレベーター』等でヌーヴェル・ヴァーグの監督に位置付けられるが、『カイエ・デュ・シネマ』誌とは関わりを持っておらず、右岸派でも左岸派でもなく、ヌーヴェル・ヴァーグ運動には参加していない独立の作家とも言われる。
今作はジャック・リゴーの生涯に着想を得たピエール・ドリュ=ラ=ロシェルの小説 「Le Feu follet 」(邦訳『ゆらめく炎』)をマル自身が脚本、映画化した。アルコール依存症の主人公(モーリス・ロネ)が孤独感によって自殺を決意し、パリの旧友を尋ねて歩く最後の48時間を描いた作品。エリック・サティの印象的な旋律を背景に、抑制の効いたモノクロームの画面が美しい作品です。