Melko

心をつむいでのMelkoのレビュー・感想・評価

心をつむいで(2018年製作の映画)
3.7
英語音声で英語字幕で鑑賞。
ところどころギャグの内容が意味わからないところもあったけど、大枠は理解できたと思う。

わたしが働く職場は従業員数は男女半々で、割とおおらかな社風、若手社員より気軽に意見を言える雰囲気、ではあるけれど、女性幹部職の割合は1割程度。
社外アピールもあるのだろう、急ピッチで女性社員の幹部職昇格が進められている。
が、やはり今だに根強い男社会であるため、どうしても「女性は産休・育休で早退するもの」というイメージが強く、ママさん幹部職となるともっと数は減る。
それに、何となく、なんとか仕事と家事を両立させようとバタバタしているその女性社員たちを、蔑む空気がうっすら存在している気さえする。
重役や専務はみんな男性。
大人にも子どもにも優しい会社の実態。

だがしかし、大事なのは、重要なポストや職場環境をぜんぶ男女平等にしろ(男性の方が露骨でジメッとした虐めをする印象はあるのだけど)ということではなく、自分たちのテリトリーに「異物」が入ってきた時にどう対処できるか。
それを問うている気がした。

見た目や育った環境、考え方が異なる人間が、自分が居心地良くしている場所に現れた時、どうするか。
その人は、征服しようとしてるのではなく、仲良くしようとしてる。辛く当たれば、その人は自らの個性と考え方に蓋をして、「迎合」しようとする。それで良いのか。それでは、たくさんの人間がいる意味がないではないか。

酷い虐めに耐え、迎合という選択をすることで気持ちは楽になりかけたけれど、新たな仲間を見捨てられなかったパール。
それで良い。
そこからどうやってあの希望に満ちたラストの場面に繋がるのか。
それは、各々が考えなくてはならないことであり、今日も世界各地で、日本のどこでも起こっている問題であるのだから。
どうすれば良いと思う?と、子どもに聞いてみたい。

短い時間の中での緩急がさすが。
職場の男性の顔にみんな同じテンプレが使われててウケる。笑
厳密に言うと闘いは続くのだろうけど、あくまで「光」を見せて終わるところは、子ども向けアニメならでは。
毛糸🧶が巧みに使われ、エンドロールにまで活かされるところがなんともオシャレ。
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